3D-OWLの強み
形状認識
① Depth Map変換による形状認識
3D-OWLの形状認識エンジンは、Depth MAPとよぶ3次元形状の2次元変換技術を用いています。
これは、対象の形状を2次元のキャンバスに数多の断面の集合体として自動的に描画するものです。
標準的な自動生成機能ともに形状理解の精度を上げるためのカスタマイズ機能を有しており、設計者の意図を忠実に反映させることができるのも特徴です。
② ノンパラメトリック形状認識
多くの部品で構成される対象をCAE解析で扱う場合において、マクロな視点での評価を行うために個々の部品の形状変更に捕らわれることはよくあります。
3D-OWLでは、各部品の形状情報の集合体として扱いますので、外部流れや内部流れの場合は、多くの部品で構成された壁面としてみなします。
この壁面の一部をCAD等で動かすことにより、個々の部品が持つ形状変数に戻ることなく、シミュレーションを実行することができます。
③ ファセットの座標評価機能
多くのCADやモデラーが持つフィーチャーや制約に捕らわれることなく、単純な書式であるファセット情報で形状認識を行います。
これにより、形状変数で描かれる形状の制約を離れ、スケッチモデラーのように自由な局面造作(つまむ、ひっぱる、おす)での形状変化を扱えるようになりました。
これまで試行できなかったデザイン検討の幅を広げるとともに 形状変更による流れの変化の傾向を理解することができます。
機械学習エンジン
① モデルの性質
ガウス過程は、確率的なモデルであり、無限次元の確率分布の集合を扱います。
関数空間上の確率分布をモデル化するため、不確実性を考慮する際に優れた性能を発揮します。
② データ要件とサンプル数
ガウス過程はニューラルネットワークと比較して少ないデータでも十分に性能を発揮することができます。
これは、関数空間での確率分布をモデル化するため、データ間の関係性を考慮しやすいからです。
③ 解釈可能性
ニューラルネットワークが内部で構成するニューロンの意味や重みの大きさを解釈することが難しい場合があります。
一方、ガウス過程は確率モデルであり、予測結果に対する不確実性や信頼区間を提供するため、サロゲートモデルとして信頼性の理解に優れていると言えます。
④ 利点
莫大なトレーニングデータを要するニューラルネットワークに比べ、 ガウス過程は小規模なデータでも不確実性の扱いや解釈可能性に優れています。
また、統計的手法であることから、特別な計算環境を必要とせず、資源、時間ともに低コストでご利用いただけます。
⑤ ラベル(出力)としての画像カップリング
それぞれのデータポイントに対し、ラベルとして画像を与えることができます。
これは、出力として数値的な予測値だけではなく、画像(例えば、圧力分布や流速分布など)を得ることにより、視覚的にデータポイントの推移(形状の変化)がもたらす流れの挙動を理解することができます。